◆ ドレも一緒

ばぁ～ちゃん（＝わしのおかん）やねんけどさ。

ばぁ～ちゃんの物の言い方が、何を指してるのか判らん時が多々ある。
例を挙げると、

　・　ちび　→　うちのちび・わしの弟
　・　おっさん　→　わしの親父・わしの前の旦那・はげ
　・　からし　→　和からし（含：マスタード）・わさび・とうがらし・七味・タバスコ

なので、

　『からし取って』
　『ど・れ？』
　『えぇ～っと…黄色いの』
　『の、ど・れ？』
　『おでんのちゃうやつ』

みたいな感じで、逐一聞きだす必要があると。

　…ど～にかならんのか？　これ…

で…今日、ＣＤ借りに向かってた道中で鳴るもしもし。
見るとばぁ～ちゃんよりメールが…。（時間は２１時くらい）

　家の電話にもおらんし？
　携帯かけても出んし？
　この時間にドコで何しとんねん！
　ちびの宿題済んだんか？
　早く寝かさんと学校始まったら大変やで
　急ぎの用があるから家帰ったら電話してきて

…あのぅ…携帯鳴ってませんけど？
家の電話は…家に居ないから知らんけどさ。

しかも。
『急ぎの用があるから電話しろ』って言いたいだけやのにさ？
何でドコで何してるとか？
ちびの宿題とか？
早く寝ろとか？

　うっざぁ～っ！！！

だからばぁ～ちゃんから電話（メッセ含む）出るの嫌やねん。
メッセに至っては禁止やし。

…うだうだ言うてもしょ～がねぇ。
用がある（らしい）ので、電話しる。

　『もしも…』
　『ドコおんねん？』
　『ＣＤショップ』
　『買うんか？』
　『いぃ～や？』
　『それでも…何すんねん』
　『何って…聞くんぢゃん、ＤＶＤは観るし』
　『ふぅ～ん』
　『で、何？』
　『あぁ～おっさんがさ…』
　『おっさん？　うちの？』

この時点で運転してるはげが、

　『わしに用け？』

と聞いてくる。

　『いや？　違う』
　『ぢゃ～どのおっさんやねん…』
　『親父』
　『お・や・ぢ…わしの？』
　『そ～親父』

親父…。
２５年は会うてないんですが…。
最後に電話で話ししたのは…ちびが４つになる年なんで…３年前か？

この３年前の正月の電話。
正月前、１２月入って直ぐくらいから、イタ電がかかってきてたらしい。

ばぁ～ちゃんが電話に出ると、ぷちっとキレてたらしい。
わしはそん時すでに居候してたけどさ。
電話なんて出ないし～。

で、正月に弟も帰って来てて、弟が電話に出たらさ。
わしに電話…ってくれて、出ると親父。

が、そん時に、

　『おね～電話、Ｓさんだと』
　『親父？』
　『貸せ、おかんが出る』
　『まぁ～そ～言わんと…わし出るし』

で、内容聞くと？
今は横におかんが居るから？
後で携帯に電話しろ…ってな内容。

で、この時点で、

　『貸せっ！』

と、受話器パクられ、おかんが勝手に電話に出て、

　『何の用やねんっ！　かけてくんなっ！』

とケンカになり、終了しる。

ここで勘違いされても困るので書きますが…。
親父、何も悪いことしてません。
おかんが勝手に嫌ってただけです。
浮気や酒、女＆ギャンブル、どれもありません。
仕事も出張が多かったので、月に２～３日くらいしか家に居ませんでした。

が、嫌いなモンは嫌いっ！
な、おかんは…離婚した後もこの調子だと。

まぁ、養育費ももらわず。
買った家のローンも払い終わったんやからな。
相当金の面で苦労はしたとは思うがさ。
だから今更親父面されると嫌なのも判るけどさ。

でも、わしからするとだな。
わしのよ～に金くれなかった訳でもないし？
わしのよ～にドコ行くにも逐一報告せんならん訳でもないし？
なんで、

　何故にそこまで嫌う？

なんですがさ…。

話戻って。

　『親父？　死んだんか？』　←これしか浮かばんかったし
　『生きとるわ、死んで欲しいけど』　←この返事もど～かと
　『死んで欲しいって…で、親父が何？』
　『親父が兄貴（おかんのおに～さん）んとこ来たらしい』
　『で？』
　『金をちょっと貯めたから？　それを子供らに分けたいから？　連絡してくれ…だと』
　『ふぅ～ん』
　『だから何ぼあるんか知らんけどいらん、と言うといた』

あのさ～。
金が欲しいとかど～こ～でなくだな。
そこはわしが決めるんぢゃね？
だから何でアンタが決めるんや？

　『億くらいあるなら話は別やけどな、１００万くらいの金で親父面されてみ、これから病院入ったりするよ～なんのにあんたが困る』

言いたいことはよぉ～く判りますが…。
だからって、何でアンタがそこで決める？

お金の問題でなく、気持ちの問題。
会う会わないの問題でなく、気持ちの問題。

わしだって今は親だ。
だからちびと離れて会えないとなると？
当然会いたくなる。

　…親父は２５年

年も取っただろ～に。
そ～なると当然募る思いだよな…。

　『で、そ～言うたらな？　今度は興信所とか使ってでもアンタんとこ来そうやからな、来たところで関係ないと言え』

被害妄想入ってそ～な…。

万が一でも興信所経由で親父が来たとしてもだな。
そこで会お～が、その後行き来しよ～がだ。

　それはわしの考え

であって、アンタが介入する話ぢゃ～ね～だろ～に…。

だからって、おかんに隠れて親父に会うよ～なことはだな。
これまで必死になってたおかん見てるからな。
裏切るよ～で、それは出来ねぇ。

で、真っ当に親父に会うとなると？

　『アンタの勝手やけど、金輪際うちの敷居跨ぐな』

と門前払いされるしさ。

　『そもそも、ほんまにお金渡す気だけなら死んでからでも遅くはないねん』

そりゃ～そ～やけどやな。

　『それを今更お金って言うて会おうって魂胆が最低』

でも口実はそこしかないんぢゃね～の？
だって窓口のアンタがそんなんやねんもん。

とりあえず、うざいし電話代がかかるので、

　『わぁ～ったっ！　そ～するからっ！』

と言って切りましたけどさ。

…家に帰ってから、じっくり考える。

次の連絡は親父が死んだ連絡か？
葬式も遠くなけりゃ～焼香くらいは行ってもえぇけどさ。
それはさすがにおかんも文句言わないだろ～に。

が、その時に、

　『あの時親父に会うときゃ良かった』

とか、

　『ちび会わせてやったら良かった』

とか思うのがな…。

親は生きてるうちしか孝行できねぇ～んだよな。
だから後で後悔したくねぇ～んだよな。

　とか思うのは…おかんに対してあかんことなんか？

弟が小学校１年生、わしが小学校４年生の頃出てった親父。
弟はすでに顔も覚えてないとか。
そりゃ～そ～だわな、元々家に居ない上に弟は小さかったし。

なので親父も弟には一切何もなく、いつもわしに会いたいと言って来る。
親父が出てった後も、近所の公園に親父が来てたのでわし内緒で行ってたこともあったし。
弟も連れて行ったって良かったんやがな。
まだ小さかったので内緒ってことが判らん都合上、連れてくとしゃべるので連れてけなかったと。

　小学校４年生でも、こ～ゆ～のは察知してたんだな（笑

だって最終的にはわしも怒られるからさ…。

　『だからアンタは行くかも知れんからな…釘刺しておかんとな』

小学校４年生の子供にだ。
いくら親の事情話して聞いてたところでだな。
出てった親父が来てるとなるとだ、普通は行くだろ？
そこまでこの年で分別付くかってんだよ。

それを今と一緒にされてだ。
うだうだ言わてもな。

　自己判断できる年なんですが？
　すべて自業自得でアンタにケツ拭き頼む年ぢゃ～ないんですが？

…わしも親になったのでな。

　何がど～正しいのか、ドレが正解でドレが不正解なのかさっぱり

状態。

　正解、不正解の問題でもないんだろ～けどさ…

おかんの顔立てて親父の葬式で後悔する（かも）か？
わしの意思を通して、親父と１回だけでもちび連れて会うか？

会ったから、その後も定期的に会う。
コレはなし。
コレするとずるずるしそ～なんでな。

　二者択一

ど～しよ～か…。
はげに言ったところで、

　『そやの～』

ってな返事しかありませんでしたけどさ。

しばらく悩むとします。
そのうちまた、親父から何らかのアクションがあると思うので。
それまでしばらく悩むとします～。