◆ ばばの子守り

休みの今日。
はげも居るしぃ～♪

ってことで、わしは暇。
なので、前の日より再び逃亡を企てる。

こないだの逃亡計画は失敗終わったからな。
ってことで懲りずにもう一回、逃亡を謀ってみる。

が…昨日から雨。
今日は朝から土砂振り。

電車で行くのもな…。
駅までチャリで３分。
着いたら傘いらず。
やのに、傘持って歩く必要あり。

車で行くにもな…。
近いから行けないことはないだろ～がさ。
雨で見えにくいしな。
しかも薄暗いし、帰りは真っ暗やし。

そんなこんなで、目の前でねとげしてるはげに向かって独り言を言う。

　『暇やしヨー○ドー行こっかなぁ…』
　『ばぁ～ちゃん行ったことないし連れてったろっかなぁ…』
　『でも車怖いしなぁ…』
　『雨やしなぁ…』
　『しかも帰りは真っ暗やしなぁ…』

散々ぶつくさ言った結果、

　『判りました…送って迎えに行かせて頂きます…』

おぉ？　判った？

　『素直に最初から言えよ…』

だってさ～、ばぁ～ちゃんもやしさ～。

　『はよばぁ～ちゃんに電話しなされ…車取って来るから…』

まぢ？　やったねぇ～♪

即刻ばぁ～ちゃんに電話しる。

　『おばはん暇け？　ヨー○ドー行くけ？』
　『何があるん？』
　『何って…ただのスーパーですが？』
　『ジャ○コみたいなん？』
　『そ～そ～、あのでっかいとこみたいなん』
　『雨やしなぁ…』
　『はげが連れてってくれるし、車で』
　『行くっ！』

ほれほれっ♪
ばぁ～ちゃんも暇やからな。
餌撒いたら即食いついたよ。

　ここで連れてって、ちびのうさるさんグッズでも１個くらい買わせるか…

と企み、ばぁ～ちゃんちへ迎えに行った。

家の前まで入ってって、ばぁ～ちゃん乗せて再び出発。

　『暇やねん…』
　『パソコンしとけや…』
　『ゲーム（フラッシュゲームとかハンゲ）も飽きたし…』

とか言いながら着いて降ろしてもらう。

　『帰る前に電話しるでな、お迎えよろしくっ♪』

と、はげを帰らせ店に入る。

途端にばぁ～ちゃん、暴走。

　『あっちから回ろっ！』

と勝手にうろうろしだし、

　『ここ何や？』

と真っ直ぐ歩かず、勝手にドコゾへ消え、

　『あんたっ！　何しとんねんっ！　ちゃんと着いてこいやっ！』

と人を舎弟のごとく、お供させる…。

　まぁ…ここまでは想定内や…

くるっと一周し、うさるさんある場所へ。

　『ちょっとここな』
　『何があんねん？』
　『ちびのうさるさん』
　『何や言うてたな』
　『新しく物が出てるからな、買うてやろ～とな』
　『また金使うてからにっ！　あるんやろっ！』

あるけどな？
給食ナフキンが少ないしな。
ハンカチタオルもあったらえぇなぁ～っとだな。

　『無駄金使うてっ！』

うるせ～な…。
それでも買わそうと言うてみる。

　『ちびこれお気に入りなん』
　『ふぅ～ん…ドコがえぇねん』
　『かわいいやん』
　『うさぎがさるの服着てるだけやん』

まぁそ～やねんけどさ…。

　『ぢゃ、行こか』

って…。

　買ってくれよっ！

が、言えず…。
結局わしが自分で買うことに…。

レジに並んでお金払ってると？

　『だから無駄金使うなっ！』
　『うるせぇ～よ』
　『金貯めろっ！』
　『うっせぇ～っ！　クソばばぁ～っ！』

レジまで来て言うか？
この時まぢで、

　『ここに置いて帰んぞ？　クソばばぁ～』

と思うたし。

方向オンチやからな。
一人で電車でよ～帰らんやろしな。

店を出て、

　『タバコ吸いたい、コーヒー飲みたい』

とか抜かす。

　『ぢゃ～喫煙室行くか？』
　『コーヒーは？』
　『自販機で缶コーヒー買う』
　『喫茶店は？　ないんか？』
　『ありますが？』
　『ぢゃ、行く』

金使うなっ！　とか言うたのは…。

　だ・れ・で・す・か？

が、逆らうとうるさい。
ので、喫茶店へ連れて行く。

　『ホットコーヒー、おいし～のん』
　『おいしいですよ？』　←店のに～ちゃん、引きつり笑顔
　『普通にホットコーヒ頼めや…』
　『不味かったらアイスがえぇもん』
　『入れたてお持ちしますので…』
　『当然や』
　『すんません…ホットコーヒ２つお願いします…』

ばばぁ…いっぺん死ぬか？

座ってオーダーしたので、タバコに火をつけ話出す。

　『…でな？　こないだ行ってきたん』
　『ほぉ～』

と話してると？

　『只今ドリップしておりますので…少々お時間をいただいてもよろしいですか？』

とさっきのに～ちゃんがわざわざ来る。

　『おいし～の？』
　『ドリップしたてですので…』
　『ぢゃ、待つ』

…あんたさ？

　何様？

そもそも、コーヒーの味なんてさ？

　判るの？

あんた家ではインスタントコーヒー飲んでんだろ。
我が家で安物のドリップコーヒー飲んだだけで、

　『おいし～♪』

とか言ってるくせに？
何を今更文句垂れんな気が済まんねん？

再び話して待つこと数分。

　『お待たせしました』

とコーヒが来る。

飲んで、

　『おいし～がな』

とばぁ～ちゃん。
持ってきたに～ちゃんも、置いて即帰らずに居て感想聞いてから帰る始末。

　あんたさ？　もんすげぇ～嫌な客でっせ？

自覚ね～だろ…まぢで…。

１時間ほど居て、出る。

が、わざと伝票を無視して先に出たわし。
を、後ろから、

　『あんたっ！　９００円やでっ！』

と呼びとめ、金を払わすばばぁ…。

　『何であんたのまで払わんならんねんっ！』
　『だってあんたがここ連れてきたもん』

あ・の・な？
コーヒー飲みながらタバコ吸いたいから？
喫茶店へ連れて行けと抜かしたのはな？

　どこのダレですか？

警察と法律なかったら、この時点で殺害してるって…わし。

食品見て回ると言うので…。
カゴとカート持って来る、わし。

これまたばぁ～ちゃんが勝手にうろうろする後ろをだ。
カート持ったわしがお供して歩く。

　『野菜高い』
　『魚鮮度悪い』
　『豆腐もおいしいの置いてない』

と散々ぶつくさ言いながらも、いくつかカゴに放り込む。
わしはわしで買いたい物をカゴに入れ、お勘定。

カゴ１個にそれぞれのを入れてるのでな。
レジで別勘定してもらうか？
と思うてたら？

　『一緒に勘定してな？』

とか言う。

お？　やっと金払う気になったか？
と思いきや、

　『ばば、あっちで待ってるから』

とサッカー台へ逃亡っ！

ちょっと待て…あんたこの食材もさ？

　わしに払わす気ですか？

えぇ～根性しとるな、クソばばぁ…。

ここまではげに連れて来てもらってだ。
一人ぢゃ退屈だろ～とわしもお供したのにだ。

　１銭も出さずに帰る気か？

とりあえず、支払いし。（涙

袋に詰める際に、わしのと自分のと分けるばぁ～ちゃんに、

　『あんた、９００円な』
　『何でやねんっ！　あんたのおごりやろっ！』
　『どこでど～なったらそ～なんねんっ！』
　『だって連れて来たんやもん』
　『あのな？　年寄りが暇しとるやろ～と連れて来てやったのにな？　普通はそこで”ありがとぅ♪”と礼がてらにわしの分も払うのが…筋やろっ！』
　『他人と来たらそ～やけど…あんたと来たのに何で払う必要あんねん』

…毎度のことながら…。

　クソばばぁっ！　えぇ～根性しとるやないかいっ！

ま、なんとなぁ～く予想はしてたけどさ～。

それでも。
あまりにもケチなばばにムカついたので、

　『１１月１日、ちびの子守りやでっ！　判っとるやろなっ！』
　『うん、知ってるよ』
　『晩飯もやでっ！』
　『うん、判ってるよ…覚えてたらな』

どこまでも腹の立つ、クソばばぁ…。
今日の貸しはな、ちびの子守りできっちり返してもらうからなっ！

　『判った、忘れんよ～に３０日から毎日電話するからな』
　『うっと～し～な…』
　『忘れるからな…当日は朝・昼・夕方と電話するからな』
　『うざいな…』

こんな話をしながら。
再びはげに来てもらい、機嫌良くばぁ～ちゃんは家へ帰ったのでした。

　『おっさん、またよろしくっ♪』

と、これまた都合の良いこと言いながらね…。

ダレが連れてくか。
だって今日だって、

　暇しとるやろ～で連れてってやるか…

と思い誘ったのに？

車に乗って直ぐ、

　『都合のえぇときはあんたら３人で行くくせに…自分一人で退屈やったらばば呼び出しかいな』
　『降ろすぞっ！　ばばぁっ！』
　『連れてったる言うたやろっ！』
　『うるせ～、降りろっ！　今すぐ降りろっ！』
　『いぃ～や、行くもんねぇ～っ！』

３５歳と６３歳のこんな会話がありましたとさ…。

この時点で降ろしとけば良かった。
めっちゃ損したし…。

しかも買いたい物買えんかったし…。
一人で来た方がなんぼ良かったことやら…。（涙

学校と公文で今日行けなかったちび。
都合で公文終わったらはげと一緒に来るか？
それまでわしとばぁ～ちゃん時間潰して待ってるし？

とか言うてたが？

　『ばぁ～ちゃんおるん？　行かへん』

と、あっさり拒否る。（笑

しかも、

　『明日はげと一緒に行くぅ～♪』

とまで。（爆

そりゃそ～だわな。
ばぁ～ちゃん一緒だと、ちび好きなとこ行けんもんな。

　ちびもばぁ～ちゃんのこと、よぉ～知ってるな…

と、妙に感心した日でもありましたとさ…。